隈研吾× Kengo Kuma
人間の身体にしっくりくるものを、受け継いでいく

生きる姿勢
世代から世代へ。
持ち主から持ち主へ。
人が人へと何かを託す時、
それはモノでもあり、技術でもあり、
想いでもあり、希望や願いでもあります。
思えば、人類の歴史はバトンの連続。
知らず知らずにあなたが渡すバトン自体も
誰かから受けたバトンかもしれません。
「バトンを受け取り、 そして渡す」 生き方。
そこには自ずと持続可能な世界が
現れるような気がして。
ALLUと共に考える、 少し先の未来の暮らし。
ALLU MAGAZINE
トレンドに左右されずに本当に好きな洋服を選ぶことができ、大切なアーカイブを次に愛してくれる別の誰かにバトンとして引き継ぐことが可能なリユースは、今やファッション業界において 無視できない大きな潮流の1つであり、ファッションの未来をかたちづくる希望そのものである。
ここではマガジンのテーマである“バトン”について、
ライフスタイリストの大田由香梨氏に語ってもらった。
最近、日本でもヴィンテージがトレンドになっているが、そもそも 海外では1点物の価値を楽しむライフスタイルが根付いている。
では、パリのトレンドセッター達はどうやってヴィンテージを楽しんでいるのか?
世代もジャンルも不問。 彼等のお気に入りの
ヴィンテージアイテムとクローゼットをまとめて紹介する。
SDGsを代表とするわかりやすい指標が現れたことで、サステナブルの意識は世界中に広まりつつある。ただその一方で、その言葉の理解度には温度差がある他、自分事としてアクションできる人はそう多くはない。クリエイティブシーンをけん引するオピニオン達は、それぞれの視点と方法によって、世の中が騒ぎ出すよりずっと以前から、意識的、あるいは無意識的にその課題の解決に取り組んでいる。
今回は建築やアート、ファッションの分野で世界的に活躍する3名から、次世代に伝え、受け継いでいきたい“バトン”について話を聞いた。
人間の身体にしっくりくるものを、受け継いでいく
アートで電子破棄物の価値を変える
着物を生かし直し、人々の思いと日本の文化をつないでいく
経済活動において、一見正しいとされていることが、地球環境に悪影響与える可能性を考えたとき、今後のビジネスの方向性に悩んだことがあった。一方で、自分たちが社会問題解決の糸口の存在になれるのではないかと周りを見渡すと、そもそもこのような問題について考えている人があまりにも少なかった。
まずは、自分の欲望や利益を最優先する行為の問題点に気付くことが先決と考えた。気付きから問題解決までのプロセスが次世代へのであり、継承でもある。
人と物の心とストーリーをリレーのバトンのようにつないでいく。真の豊かさを求める人たちと一緒に理想の未来を作っていくためには、現在のファッションをRethinkする必要がある。
このメッセージを雑誌に託した。同問題定義だけではなく、その先のライフスタイルを作るためには、フィジカルの楽しさや喜びの共有が不可欠だ。この体験を本誌に協力していただいた方々、読者とともに新しい価値観として共有していきたい。
編集長 / 嵜本晋輔