2025.4.18

ロレックスの手巻き時計の魅力とは?その種類や価値、巻き方についても解説

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ロレックスの手巻き時計の魅力とは?その種類や価値、巻き方についても解説

ロレックスの現行モデルはすべて自動巻き時計となっていますが、世界初の自動巻き機構である「パーペチュアル」が開発されるまでは手巻き時計が主流でした。手巻き時計は自動巻き時計よりもコンパクトでメンテナンスの費用もかかりにくいため、手巻き時計を好んで愛用している方も少なくありません。本記事ではロレックスの手巻き時計の魅力や種類などについて解説し、代表的な手巻きモデルもいくつかピックアップして紹介します。

手巻き時計とは?

手巻き時計は腕時計の側面にあるリューズを手で回すことによってゼンマイが巻き上がり、そのゼンマイが元に戻ろうとする力が動力となっています。手巻き時計は機械式腕時計の始まりとも言われており、ロレックスにおいては1930年代までは手巻き時計がスタンダードでした。自動巻き機構である「パーペチュアル」が開発されてからは自動巻きモデルが徐々に主流となっていき、手巻き時計は1980年代に生産終了となりました。

自動巻き時計との違い

自動巻き時計は装着時の腕の動きによってローターが回転し、それによってゼンマイが自動で巻き上がる仕組みです。そのため、手動でゼンマイを定期的に巻き上げなくても日常的に着用していれば動き続けることができ、時間の誤差も生じにくくなっています。手巻き時計と比べると自動巻き時計は構造が複雑で本体も大きくなりがちですが、手巻き時計は構造がシンプルでパーツも少なく、コンパクトなサイズ感に仕上がっています。

ロレックスの手巻き時計の種類は?

ロレックスの手巻き時計にはオイスターケースモデル、ノンオイスターモデル、1980年代以前に作られたクロノグラフモデルなどの種類があります。ここではそれぞれについて詳しく解説します。

オイスターケースが採用されたモデル

オイスターケースが採用されたモデル

オイスターケースは腕時計の防水性能を高めることを目的として開発され、1926年にロレックスから発表されました。当時の腕時計のケースにはつなぎ目が多く、つなぎ目から水やホコリが侵入することで故障しやすくなるという課題がありました。しかし、ひとつの金属をくり抜いて作られたオイスターケースにはつなぎ目がなく、ねじ込み式の裏蓋とリューズと組み合わせることで当時としては最高クラスの防水性と気密性を実現しました。そのオイスターケースが採用された手巻きモデルとしては、「オイスターデイト Ref.6694」や「オイスター Ref.6426」などがあります。

オイスターケースを採用していないノンオイスターモデル

オイスターケースを採用していないモデルはロレックスではノンオイスターモデルといわれており、スリムでコンパクトなフォルムが特徴的です。防水性や実用性を排除しクラシックなデザインを追求した「チェリーニ」などがノンオイスターモデルとして知られています。

1980年代以前に作られたクロノグラフモデル

1980年代以前に作られたクロノグラフモデル

1980年代にロレックスは自動巻き式のクロノグラフを搭載した「コスモグラフデイトナ」を発売しますが、それ以前に作られていたものはすべて手巻き式のクロノグラフでした。「コスモグラフデイトナ Ref.6263」や「コスモグラフデイトナ Ref.6265」は自動巻き式が発表される以前のモデルとして今なお大きな注目を集めており、生産数がそれほど多くなかったため希少価値も非常に高くなっています。

ロレックスの手巻き時計の価値は?

ロレックスの現行モデルはすべて自動巻き時計であり、手巻き時計はすでに生産終了となっているため、現在流通している手巻き時計はすべて中古品と考えて良いでしょう。手巻き時計のようなアンティークロレックスは状態の悪いものが多く、現行モデルの中古品と比べて全体的に安価ではあるものの、流通量の少ない個体などは年々入手するのが難しくなっており価格も高騰し続けています。また、コンディションの良いアンティークロレックスも高値がつきやすく、当時のオリジナルパーツのまま動き続けているものは今後さらなる値上がりが期待できるでしょう。

手巻き時計のメリットや魅力は?

ここでは、手巻き時計のメリットや魅力について解説します。自動巻き時計との違いについても詳しくチェックしてみましょう。

部品が少なく、自動巻き式よりも薄くて軽い

手巻き時計は自動巻き時計と比べて薄くて軽いという特徴があります。自動巻き時計はローターをケース内に内蔵しているため部品が多く、どうしても厚みを持ってしまいます。そのため、ドレスモデルなどのスリムなデザインが求められる腕時計には手巻き式が採用されることが多くなっています。

構造がシンプルで、メンテナンスの費用がかかりにくい

手巻き時計は自動巻き時計と比較すると構造がシンプルでパーツが少ないため、パーツ同士の摩耗が少なくメンテナンスの費用もかかりにくい傾向があります。故障による修理やオーバーホールなどのコストが抑えられるのは大きなメリットですが、当時のパーツがなく修理できない、あるいは修理できたしても現行パーツに交換されて価値が下がることがあるため注意しておきましょう。

手巻き時計のデメリットや注意点は?

ここでは、手巻き時計のデメリットや注意点について解説します。

定期的に手動でリューズを巻き上げる必要がある

手巻き時計は巻き上げられたゼンマイが元に戻ろうとする力が動力のため、少なくとも一日に一回はリューズを回してゼンマイを巻き上げるようにしましょう。この作業を面倒に思う方もいるかもしれませんが、この一手間こそが手巻き時計の魅力だと感じている方も少なくありません。ゼンマイを巻く頻度をできるだけ少なくしたい場合は、長時間のリザーブモデルを選ぶようにすると良いでしょう。

精度にバラつきがあり、時間に誤差が生じやすい

腕の動きによってゼンマイが巻き上げられる自動巻き時計と比べると、手巻き時計は精度が不安定で時間がズレやすくなっています。一日に数秒程度の誤差が生じるとも言われており、この時間のズレを完全に無くすのは難しいと考えたほうが良いでしょう。

生産数が限られており、バリエーションが少ない

現在流通している手巻き時計のなかでコンディションの良い個体は特に貴重で、そもそもの生産数が限られていたためバリエーションも少なくなっています。また、手巻き時計は1980年代に生産が終了しているということもあり、好みのデザインのものを見つけ出すのは難しいかもしれません。

リューズが磨耗しやすく、定期的な交換がマスト

ゼンマイを巻き上げるために使用するリューズは、その使用頻度の高さから摩耗しやすいパーツのひとつです。ロレックスのリューズはトラブルが起こった場合や故障した場合に交換したり修理したりすることができますが、手巻き式はそのようなメンテナンスの頻度がどうしても多くなってしまいがちです。

ロレックスの代表的な手巻き時計を紹介

ここからは、ロレックスの代表的な手巻き式計をいくつかピックアップして紹介します。

ロレックス オイスターデイト Ref.6694

ロレックス オイスターデイト Ref.6694

「オイスターデイト Ref.6694」は1950年代から1980年代の長期にわたって製造されたロングセラーモデル。製造時期によって細部のデザインに違いがあるのが特徴で、この個体差が多くのコレクターを魅了し続けている要素のひとつとも言えます。シンプルかつ洗練された見た目は製造時期を問わず一貫して引き継がれており、流行にとらわれないデザインはあらゆるシチュエーションで着用しやすくなっています。

ロレックス オイスター Ref.6426

ロレックス オイスター Ref.6426

「オイスター Ref.6426」は1969年代~1970年代にかけて製造されたモデルです。無駄のない落ち着いた外観でありながらドレッシーな雰囲気も併せ持っており、薄めのケースを採用することでコンパクトなサイズ感に仕上がっています。中古市場などでは比較的見かけることの多いモデルで入手しやすい価格帯のものが中心ですが、状態の良い個体は年々減少しており今後値上がりする可能性も否定できません。

ロレックス コスモグラフデイトナ Ref.6263

ロレックス コスモグラフデイトナ Ref.6263

1969年から1988年ごろまで製造された「コスモグラフデイトナ Ref.6263」は、歴代の「コスモグラフデイトナ」のなかで非常に高い人気を誇ります。長期にわたって製造されたことから時期によって細部の仕様が異なっており、途中から文字盤の「DAYTONA」が赤文字になったり巻きブレスからハードブレスに変わったりしています。「Ref.6263」のなかには「エキゾチックダイヤル」という希少な文字盤を持つ個体も存在し、レーサーとしても活躍した俳優のポール・ニューマン氏が愛用していたことから「ポール・ニューマンダイヤル」とも呼ばれています。

ロレックス チェリーニ プリンス Ref.5443/9

ロレックス チェリーニ プリンス Ref.5443/9

1920年代後半から1950年代ごろまで製造されていた「チェリーニ プリンス」は2005年に再登場するものの、2016年ごろには公式サイトから再び姿を消します。レクタンギュラーケース(長方形型のケース)や時分針の下のスモールセコンド(秒針)など、ドレスウォッチでありながら革新的なデザインが積極的に取り入れられています。「Ref.5443/9」の文字盤はモダンな雰囲気に仕上がっており、18Kホワイトゴールド製のケースが高級感をより一層引き立てています。

ロレックス カメレオン Ref.2025

1950年ごろに登場した「カメレオン」は非常に小さなケースとドレッシーなデザインが特徴的で、レディースロレックスの代表的な存在です。気分に合わせてベルトを自由に付け替えることができ、着用する人によって印象が大きく変わるという点がその名の由来だと言われています。1950年代後半に製造された「Ref.2025」はコンパクトかつシンプルなデザインでありながら、ケースに18Kホワイトゴールドを採用することでラグジュアリーな雰囲気に仕上がっています。

手巻き時計のリューズの巻き方は?

ロレックスではねじ込み式のリューズが採用されているのが一般的ですが、ねじ込み式の場合はまずリューズを手前側にゆっくり回して開放する操作が必要となります。開放後にリューズを奥方向に1回転、手前方向に1回転させる動作を2〜30回ほど繰り返せばゼンマイを巻くことができます。ゼンマイを巻いた後はリューズを元の位置にねじ込むのを忘れないようにしましょう。

ロレックスの手巻き時計は自動巻き時計よりも薄くて軽いが、時間の誤差が生じやすい

ロレックスの手巻き時計は1980年代に生産を終了しており、現在販売されているものはすべて自動巻き時計となっています。手巻き時計は自動巻き時計よりもコンパクトで、メンテナンスの費用がかかりにくいなどのメリットがあるものの、精度が不安定で時間がズレやすいという欠点もあります。手巻き時計はそもそもの流通量が少なくコンディションの良い個体は今後さらに減少していくことが予想されるため、これまで希少価値がなかったものもコンディション次第では値上がりしていくかもしれません。

中古ブランドショップのALLU(アリュー)では状態の良い中古ロレックスを豊富に取り扱っており、手巻き時計のようなアンティークロレックスが入荷することもあります。オンラインショップで気になった商品を実店舗に取り寄せてコンディションを実際に確認することもできるため、ロレックスをお探しの場合にはぜひALLU(アリュー)を利用してみてください。